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宇都宮消防更新車両情報 ブログトップ
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[更新]宇都宮市消防団第9分団(訂正・追記) [宇都宮消防更新車両情報]

 こん○○は。

 今年こそはと願いつつもまだまだコロナの終息も見えません。またこれ以上平和で健やかな日常を奪われる人が増えないよう、早期に世界に平穏が訪れますよう、ただ願うしかありません。



 翻って、先日我が地元宇都宮消防の活躍が全国区で取り上げられることとなり、一市民として非常に嬉しく、誇らしい気持ちになりました。 → 「朝5時、無言の119番… 「水の音」頼りに推理、高齢男性を救助 宇都宮市中央消防署 」(下野新聞)
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益々のご活躍を願っております。



 さて、少し話題は逸れましたが、そのような情勢下では私の活動範囲では特段の動きも無いことや、自身の加齢も相まって、またあっという間に時間が流れてしまいました。前回は令和2年度の更新車両情報の記事でしたが、今回は令和3年度更新の車両のお話です。

(たまにはある程度の体裁を以てアウトプットをしましょう、の回です。)


 宇都宮市の令和3年度予算で更新となる(なった)車両は、
常備消防
 ・タンク車(災対水Ⅱ) 1台 (西1(Tー10号))
 ・救急車 (高規格)  2台 (救急陽南1(5号)、救急東1(13号))
非常備消防
 ・積載車 (小型動力ポンプ付)
             6台 (清原3部、横川2部、瑞穂野4部、
                 雀宮3部、姿川8部、河内西7部 )
 ・ポンプ車(CD-Ⅰ) 1台 (市街地分団(第9分団))

となります。このうち、すでに救急積載は納入および運用開始済みです。(と、記事を温存してる間に全車更新配備済みとなりました。。。)

 今回はその中でも、市内では久しぶりとなる消防団のポンプ車の更新です。市内で最も新しい団ポンプ車が雀宮分団第11部のもので平成27年式のものになるので、実に6年ぶりとなります。

 現在宇都宮市消防局(常備消防)にはモリタ製ポンプを搭載した車両が1台もありません。モリタ製ポンプ車があるのは消防団(非常備消防)のみです。市独自予算更新に加えて総務省消防庁による配備分を更新分に充てるなどにより、消防団にはここしばらくモリタ製ポンプ車が連続して更新配備されていました。
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第7分団(市街地分団 ※詳細後述)に配備されているモリタ製ポンプ車


 宇都宮市消防団には「市街地分団」と「周辺地分団」とがあり、前者が読んで字のごとく市街地を、後者が山林や河川敷がある地域を主に管轄に受け持つという特性の違いがあります。この特性の違いにより、市街地分団には即応力のある消防ポンプ自動車が、周辺地分団にはあらゆる場所の水利に対し柔軟な対応力のある小型動力ポンプ付積載車が配備されています。(※周辺地分団にも一部ポンプ車配備あり)

 そして、今回更新対象となるのは、市街地分団、そしてその中でも南の方面にある第9分団のポンプ車です。


それがこちら


宇都宮市消防団・第9分団  消防ポンプ自動車
全景公式側.jpeg
全景リア.jpeg
<スペック>
シャシ  日野デュトロ(XZU600E)
変速   オートマチック
艤装   ネイチャー
車種   消防ポンプ自動車CD-Ⅰ型
ポンプ  A-2級・高圧2段バランスタービン
性能   放水量:約2400ℓ/分(規格圧)
その他  ショートホイールベース仕様
     電子制御消防車両コントローラー搭載
      (自動揚水・電子スロットル機能)
     赤色警光灯(大阪サイレン・NFーMLーVK2MーLA)
     赤色点滅灯(大阪サイレン・LFAシリーズ)、
     電子サイレンアンプ(大阪サイレン・TSKーD252)
     高輝度LEDサーチライト
     キャスター付背負器2式搭載
     令和3年度防衛補助活用

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 主に受け持つ市街地=住宅街では狭い道路からのアクセスを余儀なくされることも多く、狭隘路での取り回し性を考慮してホイールベースの短いシャシがベースとなっています。また、昨今問題となっている機関員の人員確保を妨げず、緊急走行時の運転に集中できる等のメリットから、オートマチック変速方式が採用されたそうです。


 また車体の「R3防衛交付金」の表示から分かるように、宇都宮市には宇都宮飛行場(陸上自衛隊北宇都宮駐屯地内)があることから、防衛省特定防衛施設周辺整備調整交付金 を活用することができ(※申請すれば必ず全てに交付される、というわけではないそうです。)、今回はこれを活用しての更新となっています。


 赤色灯類・サイレンアンプ・シャッターは大阪サイレン製で統一されているほか、
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近年更新の車両には「車両電源喪失時の視認性の確保」(=車両の電源が切れて無くなって赤色灯が作動しなくても、赤色灯の代わりに周囲に視覚的に自車存在をアピールすることで、気付かれずに追突されるといった事故リスクを低減する目的)の重要性からほぼマストとなった高輝度反射ライン(3M製コンスピキュイティー反射シート)が、先に更新された常備の車両や消防団の積載車同様取り付けられています。


タイヤ.jpeg
 また、装着タイヤに「オールシーズンタイヤ」が採用されており、夏⇔冬の履き替え要らずで、“衣替え”にかかる負担を減らすことに繋がるものと考えられます。
(他自治体では消防団車両のタイヤは通年でスタッドレスまたはオールシーズン、としているところも多いと聞きます。)
これは全くの余談ですが、最近自分の愛車も消防に倣って(?)オールシーズンタイヤに替えました。


 設計の方にお話をうかがったところ、今回のメーカーとしてのテーマは従来からのいわゆる“宇都宮仕様”を踏襲しつつ、完成車両のコンパクトさと十分な資機材搭載量を両立させることだそうで、素早い展開が必要な装備を極力車体外側にスマートに取り付け、シャッター庫内を大きく自由度の高いスペースとしているとのこと。(尚、後部シャッター内撮影忘れ。。。内部は上下2段に仕切られ、下段にはキャスター付背負器が2台入ってました。)うまく撮れませんでしたが、車上にはスペアタイヤや鋼管製二つ折りハシゴのほか、斧や掛矢、スコップなども取り付いていました。
P室上右.jpeg
P室上左.jpeg
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 また、これまでモリタ製団ポンプ車やジーエム製タンク車で搭載されていたものと同様の電子制御の液晶表示部のあるポンプ操作モニターを、ネイチャーでも標準搭載とすることになったそうです。
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今回の車両に搭載されたネイチャーの電子制御システム・操作モニター部

 モリタ製のものではオプション(?)でこのモニター部にPTOスイッチが付いていて、ポンプ操作部からキャブ内に戻らなくても車外からPTO操作ができる、といった便利機能があるようですが、ネイチャー製のものでは同様の機能が標準搭載とされたそうです。


 近年では、モリタ以外では日本ドライケミカルがこの手のシステム開発に先鞭をつけ、自社製造車両への搭載にとどまらず、他の消防車メーカーにも供給している形態がよく見受けられます。


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ジーエムいちはらの電子制御システム・操作モニター部 (※訂正)


 日本国内では最もポピュラーな(?)天下のモリタ製モニター。こちらはもうかれこれ十数年前から液晶モニター式のものを標準化しており、世代もいくつも回ってもう何周目?というくらいにメジャー&マイナーモデルチェンジを重ねて熟成されています。
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モリタの電子制御システム「e‐モニター」。操作モニター・電子スロットル・電子圧力計が一体型で組み込まれており、ASSYのケースも型から作られたもので、造り込み度合いに格の差をかんじさせられます。


 しかし世界的に消防車業界を見ると、どうしても様々な面で遥か遠くに先行するのは、マギルスローゼンバウアーといった欧州勢であり、まだまだ日本勢はそれらに追従するという流れです。今後日本の消防車業界の中で各社が切磋琢磨することによって、世界に先駆けたより優れた消防車両や消防装備ができるとよいですね。
…最近はマギルスやローゼン、ツィグラーなど車両の写真ばかり眺めてたり、ミニカー集めてたりもっぱら欧州かぶれして…と、これまた余談中の余談でした。


 話を無理やり元に戻しますと、、、また来年度以降、更新実績に基づけば、消防団のポンプ車の更新は続く予定であることから、次回以降またどのような車両が来るのか、今から楽しみです。


前任車両
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 平成14年式の車両からの更新となります。今では珍しい、三菱のキャンターをベースに、篠崎ポンプが艤装を手がけた車両でした。約20年の現役を終え、今後は第二の人生を将来の消防人の育成のために捧げるそうです。ひとまず、おつかれさまでした。



駄文散文失礼いたしました。




※本稿における内容はあくまですべて当方の趣味の範疇における個人的な認識・見解を多分に含むものであり、公的な認識・意図・目的とは大きく異なる場合があります。本記事に関する当該消防様へのお問い合わせ等はご遠慮願います。
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[更新]中央救助1(救工-3号)(追記) [宇都宮消防更新車両情報]

こん○○は!

今日はもう待ちに待った、我らが「救工-3号」の更新大特集です。

 事前に情報は散見されていたところですが、やはり完成車としての実車を目にしたときは感動を覚えました。

 これまでの宇都宮消防救助工作車といえば、日野レンジャー高床四駆増トンシャシ(FT)をベースとした鹿沼市(栃木県)の救助工作車メーカーのパイオニア・テイセン製で、そのテイセンにおいて数年前から確立され始まったモデルラインナップで言うところの「LL型」に相当するものでした。

 現在では、日野レンジャーの高床四駆シャシが廃止されてしまったため、今回の新・中央救助1もどうなるものかと思っていました。
 
 現在の宇都宮の救工の仕様を遡ると、平成8年に更新された先々代の車両にその端緒を見ることができます。
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先々代の中央救助1(のちに配転され西救助1

 平成8年という時期を見れば、関西地方を中心に大きな被害を受けた「阪神・淡路大震災」(兵庫県南部地震(平成7年1月17日))が大きく影響していることはいうまでもありません。被災地までの道路状況に車両部隊進出が阻まれ、災害対応車両の「走破性」が問われることとなりました。
 この結果全国的にほぼ同時期に高床四駆シャシをベースとした救助工作車(と支援車)の配備が一気に進みました。
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阪神淡路大震災を受けて旧・中央救助1とほぼ同時に新規配備された初代・支援車中央支援1(のちに配転され東支援1

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緊急消防援助隊・栃木県隊として広域派遣される旧・中央救助1


 しかし時を経て現在では全国的に大規模震災時などにおける拠点進出をサポートする体制の確立、消防の道路啓開重機等の配備が進み、またさらに平時の市街地運用を重視する傾向が強まったことから、次第に敬遠されるようになるなどして、市場規模も縮小し、一部からは強力な要望がありながらも、ベースシャシ(日野レンジャー・FT)自体が販売終了となりました。(※いすゞフォワードではまだあるようです。)
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いすゞフォワード高床シャシベースの小山市消防本部・小山市消防署の小山救助

 ちなみに宇都宮消防ではシャシさえあればこれまでと同じ仕様で継続したのかなと思われます。「救工はこのカタチでこのサイズ!」というのが常識化してるところがあったかなと思います。車体サイズや取り回しに関しても、機関員の高いスキルによってデメリットをデメリットたらしめない領域に達していました。


 こうした車両に取って代わって現在の主流となったのは「バス型救助工作車」です。
 一般的に通常のダブルキャブよりもより広く架装自由度の高い、艤装メーカーによって作られた後席の乗員スペース部分、いわゆるバス型のキャブ内は、乗員の現場までの装備着装や資機材選定を可能としたり、仕様によっては使用頻度の高い主要装備をキャブ内に装備し、現着後のすぐ活動展開できるなど利便性と発展性に富んでいるのが特徴です。(※いわゆるキャブバス型)また、水難救助や特災事案での着替えスペースや広域派遣時の居住空間としても活用できるという点もメリットとしてあげられます。これにより通常管内から広域派遣まで広くカバーできるといわれています。

(参考)
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水難・特災事案対応もお手のもの、“完全バス型”の代表格、横浜市消防局・特別高度救助部隊「スーパーレンジャー」の旧・機動第2救助救助工作車

 加えて誰もがスマホ片手にカメラマンになれる現在、現場で活動する隊員にとってそれらは場合によっては公安職のプロフェッショナルである以前に、一人間として当然ストレスやプレッシャーとなり得ます。そうした“視線”から隊員を守る必要性も出てきました。(こうした点を踏まえれば、あくまで私見ですが、そのカメラを執拗に向ける存在である我々ファン・愛好家・マニアといった自分も今一度考える必要があるなと思いました。)
 (理由は他にも多様にあるかと思いますが、消防の現場の方や開発の最前線に立たれた方のお話しをお伺いする限り、主立って上のようなメリットが今のこのご時世に合致したのではないかと愚考します。)

 このバス型救助工作車に関して、特に地元でもおなじみのテイセンの救助工作車の「HX型」が誕生して以来、これが非常に大ヒットし、今や全国的にバス型救工自体が一般的な存在になりました。

 栃木県内では栃木市消防本部・栃木消防署栃木救助が更新配備されたのを皮切りに、
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今年度芳賀地区広域行政事務組合消防本部・真岡消防署真岡救助もHXで更新され、続々と数を増やしています。


そしてそして、遂に我が地元宇都宮にも満を持して配備されることになりました・・・



中央救助1(救工-3号)
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車種:救助工作車Ⅲ型
運用:宇都宮市中央消防署・高度救助隊「スーパーレスキューUTSUNOMIYA」
受注:帝商
艤装:テイセン
モデル:「HX」
シャシ:日野 レンジャー 11.99t(増トン仕様)
変速機:マニュアル
駆動:四輪駆動
乗車人数:前2名・後3名(隊長席・後席:呼吸器内臓一体型シート ベルリング製「BLシート」+同「スマートドック」)

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 見た目に関してはあらためていうまでもありませんが、見た目は大切です。もうとてもとてもとても素晴らしいです。カッコいいです。

 車体の文字デザインは使用フォントをあまり散らさずに一般的な所属表記や整理番号などを丸ゴシックで、運用部隊である高度救助隊の愛称を前面に「SUPER RESCUE」「SR」を角ばったデザインフォントで配し、スッキリとしながらもしっかりとしたインパクトを打ち出しています。また、デザインマーキングは宇都宮の「U」を基調としたものから、雷の多いことから称される「雷都・宇都宮」から着想を得て、稲光をモチーフのデザインとして、さらに活動の迅速性・現場へ向かう素早さをイメージしているそうです。

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 HXでもキャブルーフ部の主警光灯にあたる部分は、ビルトインタイプと連発型(いずれも通称)とありますが、個人的には連発型激推しだったので嬉しい限りです。しかもウィレンです。フロントにM7、サイドはM6、後面はM9(壁面取付作業灯も同様)、とまた隙のない理想的な選定と配置です。

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 バンパー張出部の裏側にモーターサイレンが取り付いており、モーターサイレンの中でも最も音圧の強力な大阪サイレン製「7N型」(防雪カバー付)を採用しています。
 発光時の最高輝度と瞬発力のあるウィレン製灯火類と7型のモーターサイレンによって、視覚的にも聴覚的にも強力な周囲警告性を備えており、緊急走行時の安全性向上にも余念がありません。

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 あと後部灯がLEDのコンビネーションタイプのものになっている点も素晴らしい。普通の電球式に比べてLED式はブレーキ信号入力→灯火点灯までのタイムラグが圧倒的に短いですから(といってもコンマ数秒の違い・・・されど大きい違い)、走行中の後続車への注意喚起性能を向上できます。

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 キャブ内座席シートは呼吸器内臓一体型シートとして、ベルリング製の「BLシート」を採用。呼吸器ブラケットは専用設計されたBLシートに合わせ、同じくベルリング製の「スマートドック」が取り付いています。こちらもたしか市内初採用。
 未使用時は写真のように座面がハネ上げ式になっていることから、キャブ後席部の床面積をすることが可能となり、車内活動性が向上します。

 HXですのでシャシは日野レンジャーで車格的にワイドキャブ増トン車となります。
 全国的には一般的な中型低床・標準幅シャシの車両からHXに更新したところでは「大型化」してしまって慣れるまでは市街地での運用で戸惑った・・・などという話も聞かれました。
 しかし宇都宮では元が高床8トンベースからの更新となりますので、結果的には“小型軽量化”されており、意外なメリットだったとの評でした。
 変速機はオートマチックが増えつつあるトレンドに反し、マニュアル。しかし運用する高度救助隊は昔から運転にも一家言ある方が多いですから(※個人的な印象です)パワーの取出しが自在なマニュアルが選定されたのかなと思います。

 ウインチにロッツラー、クレーンにユニック、照明塔に湘南と、テイセン救工ではおなじみの組み合わせですが、ウインチの能力向上、クレーンブームの多段化など随所に仕様向上が見られます。照明塔はポール式を廃してナイトスキャンを採用する流れも一部では見られますが、塔の最大高さを稼げる等のメリットで根強い人気のある湘南製のポール式の照明塔が採用されています。
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 クレーンのアウトリガー用敷板が石橋地区消防組合・石橋消防署石橋梯子のようなマグネット式になっており、事前にアウトリガーに取り付けられることで

アウトリガー引き出し→ 敷板位置調整 →ジャッキテンション

の“間のひと工程”を省略できるメリットがあります。


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 シャッターに救工では初のバーシャッター(大阪サイレン製SH-35B)を採用。前年度タンクポンプともすでに新型のSH-33Bを採用済みだったので、35Bで来るとは意外でした。

 救助工作車の主要ツールといえば油圧救助器具ですが、従来はこれら油圧のカッター・スプレッダー・ラムシリンダーとこれらを駆動させるためのエンジンユニットホースリールが資機材庫の一番“おいしいところ”・・・最も取出しがしやすい大きなスペースを占領していましたが、今回からバッテリー式の油圧救助器具としたことで、資機材収納庫の大幅な省スペース化を図っています。またシャシが低床化されていることもあって、スカートボックスにこだわることなく資機材配置が出来ているように見受けられました。(ちなみに西救助1でもすでにバッテリー式油圧救助器具(ルーカス製eドローリックシリーズ)を採用していましたが、ホース接続タイプが主流で、バッテリー式はサブ的な扱いだったかと記憶しています。)
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 今や世界的なトレンドを見ても、バッテリー式のコードレスツールが一般的であり、(破壊能力的にも全く遜色ないことからか)今回からバッテリー式がメインとなっています。そして今回この油圧救助器具が、これまでのルーカスから変更となり、ホルマトロ製「グリーンライン EVO 3」シリーズが採用となりました。
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 余談ですが・・・ 『テイセン=ルーカス』というイメージが強いですが、テイセンでは車両製作担当者向けの展示イベント「TRES」でも、油圧救助器具はルーカス以外にもホルマトロなど、ウインチはロッツラーだけでなく大橋機産も、クレーンはユニック以外にもタダノも・・・と、“固定的なイメージ”にとらわれず自由に選択できることをアピールしています。



 救助工作車は数え切れないツールが詰まった宝箱のようです。資機材や装備はまだまだありますが、ひとまずここらへんで初回の簡易的な紹介は〆ます。また追記か詳報記事で追って深堀りしていけたらと思います。


 最後に、平成17年度から令和3年の3月まで、宇都宮市内のみならず全国各地で救助活動を行ってきた、宇都宮消防の顔・栃木県隊救助の顔である先代・救工-3号、おつかれさまでした。自分の消防好きの人生の中で最も多く目にした車両でした。引退後は栃木県内の消防隊員の育成のためにはたらくそうです。
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 車両は運用する隊員=人なくして活躍できません。先代・救工-3号と歴代この車両を運用されてきた中央救助隊の隊員の皆さんへの最大限のリスペクトを込めて、結びといたします。



本稿における内容はあくまですべて当方の趣味の範疇におけるあくまで個人的な見解であり、公的な認識・意図・目的とは大きく異なる場合があります。本記事に関する当該消防様へのお問い合わせ等はご遠慮願います。
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[更新]宇都宮陽南2(P-8号)・西2(P-11号) [宇都宮消防更新車両情報]

年末年始のご挨拶もままならないまま、大変ご無沙汰しております。

もうなんというか、、、こんな状況ですので、本当に健康に過ごせるだけでありがたいなと感じる日々です。もはや定形句になりますが、早いところこの疫病禍終息してほしいものです。


さて、さっそく本題ですが、毎度おなじみ、年度末の車両更新に伴うブログ更新です。

令和2年度において宇都宮市消防局の更新車両は常備5台・非常備7台の計12台。

内訳として、常備消防は
消防ポンプ自動車(CD-Ⅰ型) 2台
 ・P-8号 宇都宮陽南2
 ・P-11号 宇都宮西2
救助工作車(Ⅲ型・高度救助資機材含) 1台(1式)
 ・救工-3号  中央救助1
高規格救急車 2台
 ・A-3号 救急平石1
 ・A-10号 救急中央1

非常備消防は、小型動力ポンプ付積載車が7台、すでに市内各分団に配備されました。
(それからそれから!市内の済生会宇都宮病院のドクターカーも配備・運用開始されていたりします!!こちらも後日特集予定)

本日は、そのうちポンプ車について。規定使用年数満了に伴い更新整備され、宇都宮市南消防署陽南分署および宇都宮市西消防署に配備されたので、速報版としてお伝えします。

<令和2年度更新ポンプ車>
宇都宮陽南2(P-8号)
陽南2.jpeg


宇都宮西2(P-11号)
西2.jpeg



仕様については大枠でいうと平成26年度の平石2以来の水難救助ボート積載仕様。さらに近いものでいうと昨年度更新の東2宝木2とほぼ同じ仕様となっています。

さて、その東2宝木2がどんな仕様だったかと、自分の過去記事を…と思ったら、すみません、特集記事書いてなったですね(汗


この年度の前の平成29年度の宇都宮河内2でだいぶ大きく変更のあった宇都宮消防ポンプ車です。
河内2については、 こちら )

が、そこからさらに
・赤色回転灯の回転・点滅ハイブリッド化+大型化
・新型バーシャッターの採用
・水害対応の土のう積載特化機能
・梯子昇降装置の追加
・「UTSUNOMIYA FIRE」のウイングマーキングの大型化
・運転席・助手席間空気呼吸器専用取付装置追加
  など、ここ数年でどうしたんだというくらいめざましい変化がありました。

東2.jpeg
宝木2.jpeg
写真(上)が令和元年度更新の東2で写真(下)が宝木2
(これだけの変化があった車両について、今度ちゃんと書きます。)

今年度の車両もこの仕様を踏襲した上でさらに細かいブラッシュアップが施されていました。
隊長席呼吸器ブラケットがマジックベルト式からウォーカーウェイになってたりとか。


さて、そんな折、新・中央救助1を見かけたのですが、今までの宇都宮消防の車両のイメージを打ち破る斬新さでワクワクするカッコよさに仕上がっております。(特にウィレン大好きっ子の僕にはたまらない出来でした)

お隣、芳賀地区広域行政事務組合消防本部真岡救助も従来の同本部の車両から全く刷新されたカッコいいデザインとなり、こちらが市民の注目度や現場や組織全体の士気向上に貢献しているという話も漏れ伝わってきますが、こうした良い流れは良い方向に広く波及していって欲しいなと思います。

何が言いたいかというと、まずはデザイン面からタンク、ポンプそれから救急なども「UTSUNOMIYA FIRE」の“Newスタンダード”を見てみたい!ということです。


話が逸れてしまいましたが、宇都宮消防ポンプ車については昨年度(=令和元年度)の東2宝木2について特集することで今年度車両のベースとなった仕様等を見ていきたいと思います。

久しぶりの物書きゆえ、結局大した深いところにも触れず、、、駄文乱文失礼いたしました。
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[更新]宇都宮南1(T-8号) [宇都宮消防更新車両情報]

ご無沙汰してしまっています。
(注意:最初に言っておきますが、今回は長文です。時間のない方は写真だけでも眺めてってください。)

去年は今と同じ時期の車両更新記事以来、終ぞ訓練レポも書かず、さて今年の春防火のシーズンこそは、と意気込んでいたところ例の新型感染症がらみで車両火災対応訓練の予定が全滅。なんとか一刻も早くこの騒ぎが落ち着いて通常通りの世の中になってほしいものです。。。

さて、そうこうしているうちにまた今年も車両更新のシーズンとなってしまいました。

実は救急車なんか昨年末にはもう既に納車されていたりします。こちらに関してはまた後ほど。

いわゆる働き方改革というやつでしょうか、公告等を見ていても今年度は全国的に入札時期が早かったように思います。

全国的に令和最初の、ということもあって(←これはタイミング的にたまたまでしょう)気合の入った仕様の車両が多いように見受けられますが、こちらも“新たな時代”を感じさせる車両が地元・宇都宮消防に登場しました。


宇都宮市南消防署のタンク車、南1(T-8号)です。
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<スペック>
シャシ  日野レンジャー(GX2AB 増トン)
艤装   ネイチャー
車種   災害対応特殊水槽付消防ポンプ自動車Ⅱ型
ポンプ  A-2級・高圧2段バランスタービン(メカニカルシール)
水槽   ステンレス製角型水槽・2000L
その他  吸管双方向サイドプル・電動巻取装置
     照明装置(ナイトスキャンNEXT90W×4灯)、梯子自動昇降装置(SSA-Ⅱ)、
     隊長席呼吸器内蔵一体型シート、大型資機材ボックス、加納式ホースカー(6本用)、
     ホースカー電動油圧式旋回式昇降装置(極東工業製ST150)、
     新型赤色点滅灯・作業灯(大阪サイレン・LFA/LIA/LFIAシリーズ)、
     新型電子サイレンアンプ(大阪サイレン・TSK-D152Y)
     新型高輝度LEDサーチライト
     自衛噴霧装置

シャシは安定の日野レンジャーGX(4WD・MT・11.99t)をベースに、艤装はここ最近おなじみの地元宇都宮の消防車メーカー・ネイチャー

NIKKI造機を足して割ったようなかんじで、個人的に好みです。
ストレートデザインが効いていて、同じ署にある南救助1南梯子1との並びが楽しみなところです。


主警光灯に大阪サイレンスーパーネオフラッシュ・回転灯点滅灯ハイブリッドモデルのLLサイズを冠し、側面に補助点滅灯・作業灯一体型のLFIA-300を配するのは富屋1(H29年度)以降定番化。
最近の流行には疎いのですが、最近の若い子的なトピックとして、)電子サイレンアンプはTSK-D152Y。こちらも富屋1以降定番化しています。

外観的にはパっと見、前年度の車両よりリアオーバーハングの長さが抑えられている印象です。
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ところでシャッターが従来のダブルハンドル式シャッターから、バーハンドル式になっています。バーシャッター自体が市内初となります。

バーシャッターは複数社で取り扱いがありますが、こちらは大阪サイレンから(前作からの改善点を盛り込み)満を持して登場した新型・車両用アルミシャッター「SH-33B」が採用されています。

同社の従来製品に比べ、剛性が増しており、バーハンドルのどの位置から操作してもバーロックを解除する力が確実に伝わるようになったそうです。さらにシャッターを下げ切って閉め込む際の力を加えるための押下庇がシャッター幅のほぼ全域にあり、またシャッター自体の剛性アップによる一体感もあることから、左右位置のどの部分で押下庇を操作しても、シャッターを気持ち良く閉め切ることが出来ます。
(余談ですがこの点私自身も前回の国際消防防災展のメーカーブースで体験し、なるほどと思いました。)


また、シャッター庫内灯がライン状のLED灯になっており、明るさや照射範囲が格段に向上しているようでした。


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それからこれは同じ市内の同好の士・中央救助1氏の受け売りになりますが・・・

――― 側面の「UTSUNOMIYA FIRE」のウィングマーキングの大きさや配置バランスについて

・ジーエム製はアーチが弱めで上下段の間に比較的広くスペースがあったり、
・ネイチャー製は車体の大きさに対してマーキング全体の大きさが比較的小さめ、

といったようなメーカーごとのある種の“クセ”がありました。(しかしこういったところまでいつも見ておられるのはさすがです。)

今回はなかなか全体のバランスがとれた大きさ・配置になったように思います。聞くと、今回この車両に合わせイチから見直され、最適化されたそうです。


そしてシャッターの大きさ割りあても変わっていますね。以前はこんなかんじでした。
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以前は 前中後 の順に 小-小-大 となっていましたが、今回は 大-小-小 となっています。
(その理由はこのちょっとあとに)


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車上は大型収納ボックス、照明塔装置(佐藤工業所製 ナイトスキャンチーフLED 90W×4灯)、三連梯子電動昇降装置(同 SSA-Ⅱ)と、以前と変わりませんが、配置に若干の変更が加えられています。


先ほどのシャッターの大きさ順の変更の解となりますが、シャッターを開ければ今までと大きく違う点が分かります。
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まずは側面後方のシャッター内。今まで吸管巻があった部分にパンチングメタルプレートを使った横開きの扉展開式収納となっていることが分かります。

手前に消火栓開閉器具類やスタンドパイプなどが取り付けられ、そのプレート開けた奥の収納庫壁面には管そうフォグガン低水位ストレーナー消火器などが取り付けられています。

これにより、こまごまとした資機材がすべて壁面に取り付けられているため、資機材使用時にはパッと取り出すことが出来る、といったメリットに繋がっているようです。


ちなみにこの反対側には落下防止柵つきの棚となっており、様々なものを収納できるようになっていました。(このあたりは吸管ポンプ室内巻きの東化学1清原化学1同様)(←ここ撮り忘れました


さて、今回特に目玉となるのがポンプ室に見える吸管巻取装置
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ポンプ室のすぐうしろに吸管左右双方向引出式・電動巻取装置(リール部は長野ポンプ製)を新たに装備。(いわゆる、吸管サイドプル装置)


吸管サイドプル・電動巻取装置については

・1本の吸管を名前の通り車体の左右のどちらの側面からでも引き出して使用できる

・使用する際には吸管の先を持つ→水源や消火栓の方へ引っ張り出すだけで展開できる

・吸管を収納する際は、電動の巻取り装置によって巻き戻すことができる

といったかたちになります。

つまりこれは従来より省力化を主眼とした仕様変更と見ることができるでしょう。


長らく宇都宮消防のタンク車は吸管後ろ巻き(下の写真参考↓)
SR8_6567.jpg
でしたが、センター巻取りにしたことで、

・従来の吸管取付スペース(車体左右両側面後方)を資機材収納スペース等に利用できる

・吸水導管が縮長され、ポンプ揚水時間・配管ドレン時間の短縮

という、いわば副次的な利点も得られるそうです。




今まで長く続いてきたことが大きく変わる(変える)ことには困難や労苦もあるでしょう。
しかし新たな時代、街づくりやそれに伴うリスクや災害のカタチも変わる中で、時代に合わせたより良い車両づくりをしたいという消防の熱意があってこそ、ここにひとつのカタチとして完成されたことと推察するに難くありません。
(様々な形でご尽力されたであろう担当課の方に敬意の念を表します。)



最後に一市民としてではありますが、今後現場のプロフェッショナルの手により効果的に南1の持てる能力が如何なく発揮され、市民の生命と財産を守る大切な存在となることを心から願ってやみません。
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注:本稿における内容はあくまですべて当方の趣味の範疇における個人的な見解であり、公的な認識・意図・目的とは大きく異なる場合があります。本記事に関する当該消防様へのお問い合わせ等はご遠慮願います。
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[更新]宇都宮城山1(T-4号)・簗下1(T-13号) [宇都宮消防更新車両情報]

こんにちは。

今日は久しぶりの車両更新情報をお届けします。

宇都宮市消防局において平成30年度更新された車両は常備4台・非常備6台の計10台。

内訳として、常備消防は
タンク車(水槽付消防ポンプ自動車Ⅱ型) 2台
 ・T-4号  宇都宮城山1
 ・T-13号 宇都宮簗下1
高規格救急車 2台
 ・A-17号 救急上河内1
 ・A-20号 救急清原1

非常備消防は、小型動力ポンプ付積載車が 6台、市内各分団に配備されました。

今日はその中の、常備消防の主力であるタンク車についてです。

<タンク車について>
 宇都宮消防では水槽付消防ポンプ自動車を「タンク車」と呼称し、火災その他の現場や、救急活動支援出動、用務出向など、そのほとんどをタンク車運用でこなすといっても過言ではありません。

 平成10年度の宝木1・東町1(当時)から、いわゆる「オールシャッター型」の車体形状を基本として、水を2000L積載したものが一般的です。(現・南1のみ例外的に積載水2500L仕様)

市内最初期のオールシャッター型タンク車、旧・東1
SR8_9341 - バージョン 2.jpg

 オールシャッター型タンク車の導入としては全国的にも比較的早かった方だと思います。同仕様の開始当初には日本造機が大きく貢献し、更新を重ねるごとに進化していきました。途中、造機に加えジーエム・ニッキ等のメーカー参入により細かい部分に手が入り、いわば熟成されていきました。全体的な仕様については比較的保守的傾向にあったように思います。平成20年度以降最後発メーカーのネイチャーの参加により、現在に至ります。


<平成30年度更新タンク車>
宇都宮城山1(T-4号)
GQXVE6707.JPG


宇都宮簗下1(T-13号)
IMG_8971.JPG

<スペック>
シャシ  日野レンジャー(GX2AB 増トン)
艤装   ネイチャー
車種   災害対応特殊水槽付消防ポンプ自動車Ⅱ型(水2000ℓ)
その他  照明装置(ナイトスキャンNEXT90W×4灯)、梯子自動昇降装置(SSA-Ⅱ)、
     隊長席呼吸器内蔵一体型シート、大型資機材ボックス、加納式ホースカー、
     ホースカー電動油圧式旋回式昇降装置(ST150)、
     新型赤色点滅灯・作業灯(大阪サイレン・LFA/LIA/LFIAシリーズ)、
     新型電子サイレンアンプ(大阪サイレン・TSK-D152Y
     新型高輝度LEDサーチライト

このあたりは前年度の富屋1を踏襲しています。

前年度に比べ大きな変化はありませんが、サイレンアンプの高警告サイレン(イェルプ)が標準化されたり、サーチライトが高輝度LED化されたりしています。


全トビラ開放・灯火類発光状態の簗下1
LLDQE3398.JPG


紙面上?のスペックだけでは見えてこない部分ですが、
・後部ボックス内の配置見直しによる収納増(=車体は小型化・収納は増)
・アオリの前後端部が斜めカット→車上アクセス時の動線が改善
・下開きトビラが開いたときの上フチにステンレス製エッヂガード→磨耗防止
・車両の全長が短縮→車両取り回し性が向上
・車体後面の壁面作業灯の位置がより上方に→活動する隊員の視界への光線直撃の緩和
                     ・照射範囲の向上
・赤色点滅灯の発光パターン変更→緊急走行時の周囲への警告性の向上
(富屋1は全灯同時発光→今年度車は車両1周にわたって、表・裏・表・裏・・・と交互発光)

と、前年度の車両を踏まえてさらなる仕様の向上が行われたとのことです。(メーカーの設計の方曰く)





 最近では、化学車ポンプ車そしてタンク車と年々仕様向上が見られ、面白くなってきているように感じます。

 タンク車については来年度(2019年度)、南1(T-8号)が更新規定の年数を迎え、そこから数年は更新が無いため、ある意味で一区切りとなります。
 宇都宮市では2022年に向けLRT(路面電車)を導入、伴い宇都宮駅東側エリアの大規模な開発など、都市のカタチに大きな変化が訪れようとしています。特に駅東エリアは現在進行形でかなりの発展を遂げている中でさらなる開発となれば、(昨年度の非常用救急車増枠も含めて)「駅東分署」或いは「駅東救急分署」(?)の開設等も期待してしまいます。(また旧・一条中跡地利活用の選択肢としての消防局移転等にもついつい期待したくなってしまうところです。)
 そうした中で、タンク車についてもこれまでの流れを受けつつ今後さらにどのような進化を遂げるのか、(はたまた現今の仕様を踏襲するのか)可能性は五分五分ですが、ここはさらなるバージョンアップに期待です。



<参考>
これまでのタンク車更新時の記事
平成29年度 [更新]富屋1(Tー7号)
平成25年度 [更新]平石1・河内1
平成24年度 [更新]宇都宮東1
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[更新]救急宝木1(Aー15号)  [宇都宮消防更新車両情報]

こん○○は。

最近ちょこちょことあちこちに出かけてはいろいろ撮らせてもらっているのですが、なかなかお披露目の機会を逸しています。

最近はSNS全盛。ブームに乗るというわけではありませんが、やはり手軽さが勝ちます。
そんなSNS全盛の時代なのに時代逆行的にHPをひっそりオープンしました。

南救助1の消防情報局(HP)

自分の備忘録程度の自己満足ですが、誰かしらのお役に立てれば尚うれしいです。


詳細なデータバンクとしては中央救助1さんのHPに一日の長があります。
今後ともお勉強させていただきます。

宇都宮消防情報センター 本署

近日大幅リニューアルでさらにマニアックなものになるとかなんとか。
もろもろよろしくお願いします。



さて、ずいぶんと宣伝になってしまいましたが、本題です。


宇都宮消防の平成29年度更新車のトリを飾るのがこちら。


新・救急宝木1(Aー15号)
DSC01461 - バージョン 2.jpg
DSC01466 - バージョン 2.jpg
DSC01423.jpg
DSC01423-1.jpg
トヨタ・ハイメディックの1強独占状態に変わりはありません。
いつものハイメディックです。

しかし今回は珍しく(外観上)大きな変更点が見られます。
上の写真の一番下にあるように、車両後面のドアハッチ上方に赤色点滅灯(パトライト社製LP3-M1-R)が増灯になりました。

これにより、後方への警告性が高まり、活動時の安全性向上に大きく貢献することでしょう。

中身も変わってるのでしょうか?現行ハイメになってから、あまり救急に関して詳しく聞いたことがなかったですね。今度機会があったらうかがいたいです。。。


高規格救急車に関しては、日産からNV350キャラバンベースのパラメディックの発売が予定されおり、今後の勢力図がどう変わっていくのか、楽しみなところです。


今回は日曜の早朝から分署におじゃまして撮影させていただきました。
お忙しいところ、ありがとうございました。
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[更新]河内2(Pー13号) [宇都宮消防更新車両情報]

こん○○は。


前回に引き続き新車情報です[NEW]



新・河内2(Pー13号)
DSC00150 - バージョン 2.jpg
シャシ  いすゞエルフ(AT 4WD)
艤装   ネイチャー
車種   消防ポンプ自動車CD-Ⅰ型(水難救助特化型)
その他  水難救助特化仕様
     (ボート積載構造、固定専用D環、ホースカー積替式船外機搬送機)、
     新型赤色点滅灯・作業灯(大阪サイレン・LFALIAシリーズ)、
     新型電子サイレンアンプ(大阪サイレン・TSK-D252)、
     再帰性反射素材ライン



DSC00198 - バージョン 2.jpg
車体の上面の資機材や収納ボックスの高さを合わせ、水難救助用ボート積載時の接地面となっているようです。アオリの上面にはステンレスカバーがあり、ボート積み込み時の摺動性や保護製が高められています。
アオリのサイドにはD環が配置され、積載ボートの固定が可能に。



少しだけ変遷を見てみると…

H27年度ではオーソドックスなオールシャッター型でしたが、(富屋・城山分署、ネイチャー製)
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それ以前、H26年度にこの水難救助特化型は平石分署に先行して更新配備されていました。(ジーエム製)
SR8_4175.jpg
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車体上面の資機材配置で積載面積を確保したネイチャー型と、アオリ自体を積載専用型にしたジーエム型。それから船外機キャリーの造りが、特にメーカーの違いによる差異が顕著なところです。


それ以前はデュトロ/ダイナシャシだったのですが、現在の「四輪駆動かつオートマチック」仕様では条件を満たすのはエルフのみ。
SR8_2495 - バージョン 2.jpg
☆ちなみにこのPー12号、中央署から上河内分署に配転。ともない整理番号もPー14号に変更されました。(Pー12号は欠番)(旧・Pー14号については本ページ最後に)

ポンプ車全14台から1台減の全13台。
中央署が タンク2台+ポンプ2台体制 → タンク2台+ポンプ1台体制 へ。
尚、中央署配備の消火系車両の無線呼出局名(コールサイン)はデジタル化以降変更・整理されたとのウワサですが、もろもろ未確認です。


これからのシーズン、各種周りがありますが、どこかしらで会えるでしょうか。
(個人的には水防で特災水難救助特化型のポンプのからみが見てみたいですが…訓練でその(規模の部隊投入)レベルになると、あったとしても利根川水系くらいでしょうか。。。あったとしても…
現場投入されるような実災害がないことを祈ります。



~引退する車両~
旧・河内2(P-13号)
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市内最後の吸管露出型となりました。今ではもう見られない三菱キャンターをベースシャシとし、今はなき日本造機が艤装。市内のこの型の集大成とも言うべき車両でした。

しかしながら急速に拡大する災害時の役割、装備の増加に追いつけず・・・特徴的な車上の酒瓶カゴは現場の創意工夫、そしてその苦労の象徴。ボート積載のための対策でした。
ここから現在のボート積載型へと繋がります。


旧・上河内2(P-14号)
IMG_0182.JPG
当初は河内2の更新のみが予定されていましたが、同時に更新配備されたこの上河内2も兄弟と離れるのが嫌だったのか、“体調”を崩しやむを得ず退くこととなりました。

これにて常備の消火系車両はタンク・ポンプ・化学のすべてオールシャッター化したことになります。

期せずして、河内・上河内の兄弟は同時にリタイアとなりました。しばらくは消防学校で二人いっしょにいられるとのこと。長い間おつかれさまでした。
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[更新]富屋1(Tー7号) [宇都宮消防更新車両情報]

こん○○は。

完全なブログ更新おサボりですが、最近皆さんもSNSでのアップが主流ですので、僕だけではないはず。

さて、これといった記事更新もないまま新年度を迎えました。
久々のブログ内容は待ちに待った春のしらせ[ぴかぴか(新しい)]
[かわいい]の開花とともに訪れるのは車両更新というビッグイベント[NEW]


赤いやつの第1弾が到着しました。
さっそく見ていきましょう[グッド(上向き矢印)]

新・富屋1(Tー7号) 
DSC00110 - バージョン 2.jpg
写真 H30-03-28 8 55 36.jpg
シャシ  日野レンジャー(新型 GX2AB 増トン)
艤装   ネイチャー
車種   災害対応特殊水槽付消防ポンプ自動車Ⅱ型(水2000ℓ)
その他  照明装置(ナイトスキャンNEXT90W×4灯)、梯子自動昇降装置(SSA-Ⅱ)、
     隊長席呼吸器内蔵一体型シート、大型資機材ボックス、加納式ホースカー、
     ホースカー電動油圧式旋回式昇降装置(ST150)、
     新型赤色点滅灯・作業灯(大阪サイレン・LFALIALFIAシリーズ)、
     新型電子サイレンアンプ(大阪サイレン・TSK-D152

タンクの更新は平成25年度の平石・河内Tの更新を最後にしばらくありませんでした。
艤装は25年度に引き続きネイチャーとなっていますが、以前の車両からかなり大きな変貌を遂げています。

シャシ・補助灯火類・アンプが新型となり、当然初となります。
赤色警光灯はウィングフラッシュからスーパーネオフラッシュへ(タンク初)
回転灯+点滅灯のハイブリッドタイプでLLサイズ(初)

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昨年度以降、反射ラインも必須項目のようです。ただし化学査察からバージョンアップしてデザイン製と警告製に優れる二重線になっています。


中型クラスの化学も含めて見てみると変遷が分かりやすいかと。(以下比較参考画像)

H28 西化学1 ネイチャー製
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H25 平石1(タンク) ネイチャー製
SR8_6475 - バージョン 2.jpg
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H24 東1(タンク) ジーエム製
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SR8_3554 - バージョン 2.jpg

(続きのこれより以前の経過は過去のタンク車特集記事で)


 全体的に無骨なストレートデザインを基調としていますが、その中で唯一、「UTSUNOMIYA FIRE」の文字がカーブデザインで、一際映えますね。(某氏がおっしゃってましたが、年々マーキング小さくなってますね…)

 最近では比較的コテコテな艤装のネイチャーが多いですが、そんな中でジーエム製の車両のシンプルな中での完成度の高さ、まとまり感の良さを再認識させられます。

 オールシャッター型になってから、日本造機・ジーエムと機関員からの後方視認性を考慮したボディーの斜めカットがトレンドでしたが、最近では少人数運用や安全性向上を目的にバックカメラもしくは全周囲カメラを装備するのが一般化してきているので、資機材収納力にマイナスになるデメリットもあって、一時期同様に斜めカットを取り入れていた最大手モリタでさえも、最近の標準はカット無しストレートになってきています。(仕様次第ではまだあるようです。)

 宇都宮では目下、バックモニターがついているのは救工救急など一部車両のみですが(だったはず)、やがて少数の人員で運用することが強いられる状況となれば、装備されるのではないかと思われます。

 今後は市内でも路面電車LRTが導入されることが決定しており、宇都宮消防の主力であるタンク車は、さらに災害の多様化・複雑化や、都市環境の変化、それから免許制度の改定など、様々な“変化”への対応も求められるようになるであろうと考えられます。
 今後更なる多機能化、省力化やそれと相反する小型軽量化などが、技術によって克服され両立した新仕様の車両が登場することにも期待です。

 この車両では救助資機材(エンジンカッター・チェーンソー)収納装置やホースカー昇降装置の自動化などがなされており、前述のような変化の前触れを感じさせるものとなっているように見えます。
 この車両が活躍することがないことを祈りつつ、しかし万一のときにはその性能をいかんなく発揮してほしいと思います。
 



約15年にわたり活躍してきたこの車両もついに交代。
この型のレンジャーとしては市内初でした。それがもう退役。そしてそのあとには新型のレンジャーが市内初で入ります。
写真 H30-03-28 11 21 46.jpg
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なかなかイベントでもお目にかかれない車両でしたが、最後に撮る機会があってよかったです。
長きに渡る活動、おつかれさまでした。
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[更新]救急富屋1(Aー7号) [宇都宮消防更新車両情報]

 こん○○は。久しぶりの更新になります。
 毎度のことですがちょっとのつもりの更新ストップがあっという間にひと月ふた月。
 

 さて今回は新車ネタ[NEW]、、、といっても28年度更新車のまだ撮れていなかったものです。(今更ですが)

 毎年のように更新のある救急車ですが、ことごとく納車のタイミングに合わなかったり。
 そんなこんなで救急は納車後のどこかしらのイベントへ撮りに行くのが通例です。今回はとある地域防災訓練へ。


高規格救急車 救急富屋1(Aー7号)
Aー7号.jpg
DSC00965−1.jpg
 おなじみ、トヨタ・ハイメディック
 かつて日産の初代パラメディックが配備されていたこともありましたが、余程のことがない限りエルグランド・ジャンボタクシーベースのパラメディックの採用はないものと思われます。
 NV350ベースのパラメディックの発表がありましたが、これからどうなるか、未知数です。

 外観的なところでいうと、フロントに点滅灯大阪サイレンLF−11、側面には作業灯LI-21。このあたりは通常通りといえます。
 (中身は綺麗に比較できるところがないためまだ何ともいえません・・・)

 28年度更新車の(消防車も含む共通)テーマと言えるのが、総務省消防庁によって積極的に採用するよう通知された「再帰性に富んだ反射素材」です。

 同通知に呼応して、今回から救急車の車体全周を囲む赤ラインのうち、保安基準に準じて車両前面を除く左右両側面及び後面部分が反射素材に。
 車両整理番号と部隊表記の文字は以前から反射だったような、、、そうでなかったような。。。今度以前の車両もフラッシュ焚いて確認したいと思います。

 富屋分署の直近にはICがあり、ここから進入しての高速道路上での活動も考えられ、反射ラインのその高い警告性は活動安全性に寄与するものと思われます。

 余談ですが、富屋分署の車両はタンクがナンバーが「10−38」=トミヤで語呂合わせなのですが、救急も希望ナンバーでもないのに「99」=救急となるあたり数字的な引きの強さを感じたり。


同時更新の
救急河内1(Aー16号)
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 救急河内は年明けのイベント出て来るかな?おいおい綺麗におさめたいと思います。



 これといってまとめの言葉もないですが、年末年始更新できれば(いいのですが・・・)。

(更新できない場合を想定して)本年も大変お世話になりました。また来年もよろしくお願いします。
それでは皆さん、良いお年を〜[ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)]
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[新規配備]宇都宮特災1(津波・大規模風水害対策車) [宇都宮消防更新車両情報]

さてさて、今回は冒頭の挨拶すら必要ありません。
新年度を迎えるに際してまず一発目はコチラ

まずは更新の興奮そのままにとりあえず今回はザックリとした内容で更新。
細かい写真や紹介は次回以降。

遂に、地元宇都宮消防今期最高の目玉、あの、超ド級の大物が配備されました!

平成28年度総務省消防庁無償貸与車両
津波・大規模風水害対策車

配備先は、まさかの28年度新車3台目となる、西消防署
コールサインは市内初となる「特殊災害対策車」格が与えられ「宇都宮特災1」となりました。
運用は西特別救助隊が主体になるものと思われます。(※確認忘れ)
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シャシ  日野 レンジャー(高床・四輪駆動・ロングホイールベース)
艤装   テイセン
車種   津波・大規模風水害対策車
その他  水陸両用車(ARGO)・ゴムボート・組立式ボート・船外機等水難救助用資機材多数積載
ARGO積載可搬ポンプ、放水銃、担架運搬台等付属装備も多数積載

☆ 待ちに待った本車両の配備。車体サイズから、配備先は市内でも屈指の車庫サイズを誇る東署になるであろうと、多くの隊員さんでさえもそう思っていたところが、蓋を開けてみれば市街地と山岳地域を主戦場とする西署配備となりました。(もちろん水難救助にも対応)外環まで出ちゃえば水難救助の多い平石方面までそんなに時間かからないですけどね
 本車両はシャシに高床四駆のレンジャーを採用しており、その走破性は抜群。(ただし車長の長さはひとまず考えないことにして)加えて積載のARGOの不整地走破性は言わずもがな。可搬ポンプと半固定式の放水銃或いは担架積載装置を積んでグングン突き進んで行けるとなれば、山岳地域での運用も期待されます。

津波・大規模風水害対策車については
第1世代の低床バス型(トノックス・低床レンジャー)から
第2世代の高床ダブルキャブ・ハイルーフ・箱ボディー(赤尾・高床フォワード)となり、
第3世代で同(テイセン・高床レンジャー・ロングホイールベース)でそのままボディーが拡大し現在に至ります。

恐らくこれで艤装メーカーがいずれにせよ高床レンジャーベースでは最後になるであろう、本車両。
個人的な思いですが、FT好き・テイセン好きとしてはタイミング的にも非常にありがたいことだったなとつくづく。


今後は当面東支援とのセットか交代でイベントの目玉役となるであろうことは想像に難くありません。これまた大物同士の競演が今から楽しみです。
も~~~~~うとにかくカッコいいに尽きる。
飛鳥ハイルーフ好き・日野高床レンジャー好き・テイセン好き・箱物好きな私にはたまりません!
久々に血がたぎるようなワクワクさせてくれる車両です!


<コラボ企画>
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“同期組”となる西化学1との2ショット
主警光灯が回転と点滅のハイブリッドで補助赤がOSのLF-21、作業灯が同LI-21で、見ようによっては統一性があるようにも(後はフロントグリルと消防章の塗り分けが一緒だったら最高!・・・

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トドメの一発、高床救助系コンビ
テイセン製高床レンジャー救助系2台組。これだけでも贅沢ですが、いつか市内の救工4台と特災が勢揃いしているところが撮りたい・・・


尚、本車両の本格運用はまだ先になるとのことです。




次回も続編予定。
気分次第では支援かも。




※ 執筆当初(H29.4)コールサインを「西特災1」としていましたが、後に「宇都宮特災1」であると判明したため、これに修正いたしました。(H29.9)
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高床.jpg

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